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カードカウンティング誕生:ソープ教授の研究

 

ブラックジャックに基本戦略(ベーシックストラテジー)が浸透するつれ、ブラックジャックの常識に革命を起こす人物が登場する。

 

 

それが若手の科学者、エドワード・O・ソープ教授である。

 

 

ウィルソンによれば、彼は「正に超新星だった」。

 

 

ボールドウィンチームの研究結果を、ソープ教授はその出版後すぐに、偶然手にしていた。

 

 

近いうちにベガス旅行が決まっていた彼は、小さなカードに基本戦略のルールを書き写した。

 

 

そしてカジノに到着すると、システムを試すために10枚の1ドル銀貨(古き良き時代である)を購入したのである。

 

 

カルバートソン戦略

ここに、ボールドウィンチームが紹介した、カルバートソンチームが提案する戦略の一部を抜粋する。

 

 

ヒットとスタンド
ディーラーのアップカードが6以下の場合、14以上でスタンドする。ディーラーのカードが7以上の場合、プレイヤーは16以上でスタンドする。ソフト18以上は必ずスタンドする。

 

 

スプリット
Aのみスプリットする。

 

 

ダブルダウン
どの場合もしない。

 

 

『ディーラーをやっつけろ!』で、ソープ教授はその体験談を語っている。

 

 

. エドワード・O・ソープ「Beat the Dealer」1962, Random House

 

 

「ゲームが始まると、すぐに見物人が私のプレーの遅さや手のひらに持っている小さな紙切れに注目し、面白そうだと集まって来ました。ディーラーも、あからさまに冷淡な態度になりました」。

 

 

そして、「プレーが進むにつれ、みんなの感情が哀れみに変わっていったのです」と。

 

 

しかし、7枚のカードを使った合計21のハンドもあり、20分ほど経過してもソープ教授のささやかな初期投資はまだ溶けていなかった。

 

 

「そのうち見物人たちの横柄で嘲笑的な態度は、尊敬と注目のまなざしに変わったのです」

 

 

この旅行から帰ると、ソープ教授は本格的にブラックジャックの研究を開始した。

 

 

彼は、ボールドウィンチームが飛躍的にブラックジャックの理解を深めたことを認めながらも、ゲームの重要な側面を見逃しているのではないかと考えていた。

 

 

ボールドウィンとその同僚は「プレイヤーの順番が来る前には、他のプレイヤーが知る情報を処理する時間もなく、それを利用する気もない、という前提で戦略を開発した」と言う。

 

 

さらには「直観的、非科学的な方法以外、この情報を生かすのは非常に困難であろう」とした。

 

 

ソープ教授はこの主張に異議を唱えた。

 

 

そして、適切なプレイを実施すれば、プレイヤーがブラックジャックで勝つことさえ可能であると考えるようになった。

 

 

つまり、ハウスエッジを逆転し、プレイヤーの期待値をプラスにするということだ。

 

 

そうすれば長期スパンでは「ちっぽけ」なプレイヤーが、ついにあの「難攻不落」のハウスを打ち負かすことができるのである。

 

 

多くの発明家と同様に、ソープ教授は、多くの人が見逃してしまうような、物事の隠れた重要性を嗅ぎつけるセンスを持っていた。

 

 

アメリカ独立宣言書には「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とあるが、ブラックジャックにおけるカードについて言えば、これは全く当てはまらない。

 

 

ソープ教授は、プレイヤーに有利なカードと、逆にディーラーに有利なカードが存在することに気づいた。

 

 

ボールドウィンチームも、進行中のゲームで出ているカード(ディーラーやプレイヤーがその時点で持っているカード)には「有利」と「不利」の特徴があることはすでに明らかにしていた。

 

 

しかしソープ教授は、この概念を大きく発展させた。

 

 

彼は、一般的に、残りのカード(まだ出ていないカード)に関しても、ある種類のカードの割合が大きいときはプレイヤーに有利となり、また別のカードの割合が大きいときにはディーラーに有利となる、という理論を組み立てたのである。

 

 

こうして現代のカードカウンティング理論は誕生した。

 

 

連続したハンドは従属事象である。

 

 

::複数の事象で、ある事象の起こるか起こらないかが別の事象の起こる確率に影響を与える関係にあたるもの。

 

 

ブラックジャックに関しては、すでにプレイ済みのカードはデッキに残っているカードの構成に影響するという意味で「従属事象」と言える。

 

 

よって、すでに出たカードから得られる情報は、残りのカードに関する情報として活用できる。

 

 

残っているカードの、良いカードと悪いカードの割合を知ることができれば、その時点でプレイヤーがどれだけ有利か、もしくは不利かということを評価できるのだ。

 

 

ソープ教授は、(教授として)コンピューターを使える権利をフル活用し、数年にわたって集中的に研究とシミュレーションを重ねた。

 

 

そしてついに、1961年の米国数学会の会合にて、その驚くべき結果を発表したのだ。

 

 

さらに、1962年には史上初のカードカウンティング論文を出版した。

 

 

それが、ベストセラーとなった「ディーラーをやっつけろ!」(パンローリング刊)である。

 

 

その中にカジノ業界を揺るがす発言が記されている。

 

 

「本書の戦略を使えば、カジノでブラックジャックをするとき、プレイヤーは常にカジノより有利な立場に立つことができます」

 

 

ブラックジャックの人気は急上昇した。

 

 

メジャーな雑誌が「ブラックジャックの必勝法」などといった記事を載せ始める。

 

 

「ライフ」誌に載った称賛の言葉を一部抜粋しよう。

 

 

「ソープ教授はイカサマを使わない。人がチャンスゲームに賭ける歴史は、人類史の幕開けにまで遡るが、その中でソープ教授は最も偉大なシステムプレイヤーであろう」

 

 

ソープ教授の本は大きな話題となり、人気の波に乗ってニューヨークタイムズのベストセラーリストにも載った。しかし、これはけっして不思議な結果ではなかった。

 

 

「Blackjack for Blood」の中で、プライス・カールソンは、当時をこう振り返っている。

 

 

. Bryce Carlson Blackjack for Blood 1994. CompuStar Press.

 

 

「有名な大学の立派な数学者が論じる、金を生む秘密の方程式。そんな本だと思われていた」

 

 

言うまでもなく、当初カジノは動揺を見せた。

 

 

カールソンはこう証言する。

 

 

「たしかに一般人は少しオーバーに反応していたが、カジノ業界を襲ったパニックに比べれば、まだましだった。

 

 

早くもカジノは、数千人の熟練カードカウンターが容赦なきイナゴ群衆の如く襲ってきては、見る見るうちに100ドル札を1枚残らず食い尽くすのでは、という悪夢を見るようになっていた」

 

 

このような動揺から、相当数のカジノは実際にプレイヤーがより勝ちにくくなるよう、ルールの設定を厳しくしたのだった。

 

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